【GIA社会人プログラム】スコットランドにてフィールドワークを実施しました

脱炭素社会の実現を牽引する次世代のイノベーター育成プログラム「Green Innovator Academy」の第3期は2023年8月に開講、社会人プログラムには企業や官公庁、自治体の職員、約60名が参加しています。

今期は昨年も実施していた新規事業立案コースに加えて、政策提言コースを新設しました。

浮体式洋上風力発電の早期実現、アジアのGXの支援、日本の地域脱炭素という3つのテーマを設けたほか、現場視察を踏まえた上での実効的な政策提言・議論に向け、各テーマごとにフィールドワークを企画しています。

本記事では、日本における浮体式洋上風力発電の早期実現に向けた政策提言に取り組むチームが参加した、スコットランドフィールドワークの様子を紹介します。

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世界で最も浮体式洋上風力発電の導入が進んでいるスコットランドにて、企業や政府合わせて11つのキープレイヤーと2か所の現場を訪問しました。

1日目は、キンカーディン浮体式洋上風力発電所を見学しました。現在運転中の浮体式洋上風力発電所では世界で2番目に発電容量の大きい風力発電所です。現地を案内していただいた元漁師の方からは、洋上風力事業の漁業への影響も伺いました。

2日目の朝は、係留（海上の浮遊物を固定する構造物）メーカーであるBalmoral社（*1）を訪問し、工場と実験場を見学しました。

昼にはEnergy Transition Zoneにて、Invest Aberdeen（*2）とOREカタパルト（*3）について、ならびに洋上風力関連の技術を進歩させるための仕組み作りについて話を伺いました。

午後はアンカーメーカーであるInterMoor社（*4）の担当者にMontrose港を案内していただきました。Montrose港はスコットランド最大の洋上風力発電所であるシーグリーン発電所のO&M港です。

夜は、ベンチャー系開発事業者であるCIERCO（*5）のCEOや社員の方をお招きし、話を伺いました。

3日目の朝は、丸紅とSSE社でスコットランドの海域を獲得したファンドマネジメント会社であるCIP（コペンハーゲンインフラストラクチャーパートナーズ）の、洋上風力に特化した事業投資を担うCOP（*6）を訪問し、サプライチェーン戦略や今後の課題などを伺いました。

3日目の昼は、エディンバラ大学においてアカデミアと産業界を繋ぐ役割を担う機関であるEdinburgh Innovations（*7）を訪問しました。エネルギー部門のご担当者と洋上風力分野の産学連携について議論しました。

3日目の午後は、スコットランド政府における洋上風力局の担当者（*8）とスコットランド国際開発庁（*9）における洋上風力の担当者に話を伺いました。

3日目の夕方は、洋上風力の詳細設計を行うエンジニアリング会社であるWoodThilsted社（*10）を訪問しました。技術的な話や日本の課題について議論しました。

最終日である4日目は、大手開発事業者であるOcean Winds社（*11）を訪問し、案件形成や補助金制度などについて伺いました。

一連の視察を終えた参加者からは、

「実際に足を運ぶことでしか見えない洋上風力産業の実情や課題が見えた」

「訪問前には思いもよらなかった研究・技術開発の政策に関するアイディアを得ることができた」

「政策提言までの1ヶ月で国内でも同様カウターパートにヒアリングをしたい」

といった感想が寄せられました。参加者は12月17日に開催する「Green Innovator Forum」での最終発表に向けて、政策提言の検討を進めていきます。

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