Green Innovator Academyを言葉で支えるISG通訳チーム

Green Innovator Academyを言葉で支えるISG通訳チーム

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Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年10月に開講しました。様々なプログラムの中で、1期では海外からのゲスト登壇、2期ではそれに加え海外学生が参加することとなり「同時通訳」はGIAにとって欠かせない存在となっています。

今回はGIAの同時通訳を全面的に支えていただいている大西さんをはじめISG通訳チームのみなさんにインタビューへお答えいただきました。

― 何がきっかけで GIAの同時通訳を?

大西さん:元々はアメリカの友人に共同代表の坂野さんをご紹介いただいたのがきっかけです。そして2021年以来、単発イベントやGIA1期の海外ゲストの同時通訳を担当させていただきました。そして2022年5月、Facebookメッセンジャーで「GIA2期の通訳をお願いしたい」とご連絡いただきました。同時通訳は8月末から12月中旬までほぼ毎週、土曜日に発生していましたので、通訳者一人では到底対応しきれないほどの通訳量でした。そこでISG(通訳勉強会、後述)で私が教えている受講生の力をお借りしようと思ったのが、この同時通訳チームを編成したきっかけです。

写真:GIA同時通訳チームの打ち上げ(左上はISGのロゴ)左上より上山、大西、井上、左下より早野、豊永、M

― 同時通訳をするとき、何が大変でしたか?裏側を教えてください。

大西さん:私は通訳を11年していますが、それでもGIAの難易度は群を抜いています。登壇者の中でも金平直人氏(世界銀行)や前田雄大氏(エネルギーアナリスト)は特に発話スピードが速いかつ情報密度が高く、事務局の方に「もう少しゆっくりと・・・」と瀕死状態でチャットを送ったのを今でも覚えています(笑)。

Mさん: 講演者の方の頭の良さに同時通訳でついていくのが大変でした。通訳力のみならず、一般教養や専門知識が圧倒的に不足していると実感しました。ですがGIA生の皆さんが難しい課題に挑戦しているように、私たち同時通訳者も自分の限界を少しでも超えられるように全力を尽くしました。

― GIAで通訳をして、何か変化はありましたか?

豊永さん:現在は社内通訳者なのですが、GIAの通訳難易度は突出して高く、「GIAで通訳しているんだから、この社内会議くらいは大したことない!」と思えるようになりました。それくらいGIAによる通訳者としての成長は大きいです。

早野さん:GIAに関わる学生、事務局、講演者の方々全員から情熱を感じられ、その情熱を海外の参加者に伝えるという一端を担えたことが何よりも嬉しいです。

― ISGについて改めて教えてください。

大西さん:ISGはInterpretation Study Groupの略で、通訳勉強会と言います。2017年に設立し、受講生の多くは社内通訳翻訳者やフリーランス通訳者としてデビューしています。レッスンは全て少人数でオンラインですので、学生・社会人問わず全国から受講生がZOOMで通訳を学んでいます。価格も通訳学校の約1/10とかなりリーズナブルです。将来は大手通訳学校と並ぶ通訳養成機関にしていきたいと思っています。

ISGで大事にしているのは、ただ通訳を提供するだけでなく、学生から通訳者になれるキャリアパスを作ることです。通訳に興味がある学生は就活するとき、新卒で通訳者を募集している企業がない事実を突きつけられ、衝撃を受けます。それは私自身も新卒だった2010年から何も変わっていません。

ですが語学力もあり、何より通訳が大好きな学生を放っておくことは、個人のキャリア形成における損失のみならず、通訳者不足を叫ぶエージェントもいる昨今、社会的損失とも言えます。ですので私は大学生にも通訳の仕事を与えてきました。今回GIAでの通訳業務で有難かったのは、事前動画の同時通訳もご依頼いただいたことです。当日のライブ通訳をするのはまだ早い学生でも、事前動画の吹き込み同時通訳なら何度でもやり直しがきくので、仕事を振ることができました(もちろん大西によるチェックが入っています)。実際、新卒でGIAの通訳に挑戦した井上さんは「プロ通訳者の大西さんと一緒にお仕事をしたのは初めてでしたが、とても刺激的だった」と言ってくれました。

学生は社会人通訳者と一緒に通訳の仕事をすることで、通訳の準備やGIAとの資料のやり取り、資料の読み込み、日英の用語作成、ZOOM同時通訳の音声チェック、通訳の交代するタイミングなど、普段は見ることがない現場を見ることができます。これはキャリア形成において、学生が通訳に対して抱いている漠然としたイメージを具体化させる点で、非常に重要な意味を持っています。

ISGが通訳サービスを提供するのはもちろんですが、私たちが仕事でご一緒したいのは、次世代の通訳者育成という視点を共有できるクライアントです。例えば一般公開の通訳案件やZOOM通訳案件の場合、私はクライアントに「通訳音声をいただけますか」と毎回尋ねるようにしています。録画音声をいただければ通訳者育成に活用できるからです。通訳エージェントにも同様のお願いをしており、ご迷惑をおかけすることもあるのですが、有難いことにこのような手間をかけてくださるクライアントが少しづつですが増えてきています。GIAからも実際に通訳音声をいただき、通訳レッスンでは音源を受講生と聴き直し、どこが訳出に苦労したか、それは語彙力、知識力、瞬発力のどれが課題だったのかなどを振り返り、それに応じて通訳訓練メニューを組むなど、次の通訳に活かすようにしました。

―GIAから3期も依頼が来たら、受けていただけますか?

大西さん:もちろんお受けします!その時までにはISGの受講生も増えて、そこからGIAデビューできる通訳者も増えているでしょう。ISGはお互いに顔が分かる通訳者が協力している点で機動力に優れている一方、通訳者には私も含めて子育て世代が半数おり、子どもが熱を出した等で突然対応不可になることがあり、課題だと思っています。バックアップ通訳者を立てておくなど、よりサステナブルな形で通訳業務も回していけたらと思います。ISGがサステナブルになることで、GIAが2030年までに1,000人グリーンイノベーターを育成するという目標に、少しでも貢献できるのではないかと思っています。

ありがとうございました。

 

ISGメンバーの紹介

大西亮平(おおにし りょうへい)
ISG設立者であり、会議通訳者、通訳教育者。神戸市外国語大学大学院で通訳翻訳を学ぶ(修士)。2017年通訳勉強会(ISG)を設立し、未来の通訳者育成を行っている。TEDxKobe 2019登壇者。2021年台湾デジタル大臣オードリー・タン氏の同時通訳。2022年より同志社大学グローバル・コミュニケーション学部嘱託講師。
ISG: https://kcufsplus.com/club-activity/club-activity-social/club-activity-konin/isg-interpretation/
TEDxKobe “We Are All Interpreters”: https://www.youtube.com/watch?v=paoKicDcFAI
通訳や講演のお問い合わせはこちらまで:onishiryohei@gmail.com

H.M
大学では通訳翻訳課程に所属。新卒で専門商社に入社し、原材料の購買を担当しながら、社内の通訳・翻訳の業務にも携わる。2021年より、米国コンサルティング企業にて社内通翻訳として稼働中。

豊永開(とよなが かい)
早稲田大学大学院国際コミュニケーション研究科修了。法政大学で講師。外資系エンジニアリング会社で社内通訳者として勤務。
Let’s Enjoy English Together: https://kaitoyonagaeducati.wixsite.com/website

早野文菜(はやの あやな)
東京外国語大学大学院通訳専修コース修了。船級協会と国土交通省でCOP対応を含む船舶・航空機の脱炭素化業務等に携わった後、通翻訳者に転身。飲料メーカーでの勤務を経て、現在はフリーランス通翻訳者として稼働中。
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/ayana-hayano-nishino-9b5734153

井上稚菜(いのうえ ちな)
神戸市外国語大学・豪モナッシュ大学ダブル・マスタープログラムにて通訳翻訳学修士を取得。現在は化粧品メーカーで海外営業を担当。第12回全国大学通訳コンテスト3位。
第12回全国大学通訳コンテスト:https://www.kobe-cufs.ac.jp/news/2018/19883.html

上山紀子(うえやま きこ)
神戸市外国語大大学英米学科4年。2023年2月より豪モナッシュ大学に留学予定。第16回全国学生通訳コンテスト優勝。
第16回全国学生通訳コンテスト:https://www.chunichi.co.jp/article/590679

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