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小さな一歩であっても、社会に良い変化をもたらすイノベーターでありたい(三井住友信託銀行株式会社 田中 智之 氏)

小さな一歩であっても、社会に良い変化をもたらすイノベーターでありたい(三井住友信託銀行株式会社 田中 智之 氏)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。5年目の2025年度は、5期生として社会人は企業の若手リーダー、省庁自治体職員などが約50名参加しました。(また並行して大学生を対象としてもプログラムが実施されています)

今回は、GIA社会人5期生で三井住友信託銀行株式会社 審査第二部 所属の田中 智之さんに参加後のインタビューを行いました。

PROFILE
田中 智之(たなか ともゆき)氏
所属:三井住友信託銀行株式会社 審査第二部
2006年入社。法人営業、リスク管理、電力業界を中心とした産業調査に従事した後、2019年よりファイナンス案件の審査業務を担当。
預金等を通じて託された資金をGX事業への投融資に振り向けることで、ファイナンスの側面から脱炭素社会の実現に貢献している。

はじめに、田中さんの普段の仕事内容とGreen Innovator Academyに参加したきっかけを教えてください。

プロジェクトファイナンスや船舶・航空機ファイナンスなど、ストラクチャードファイナンス案件の審査を担当しています。プロジェクトファイナンスでは、太陽光や風力といった再生可能エネルギー関連の案件を多く手がけており、GX政策をはじめとする関連動向については日常的に注視しています。弊社としては今回が初めてのGIAへの参加となり、GXに関わる部署の中から候補としてお声がけいただきました。さまざまなバックグラウンドを持つ社外の方々と、GXを実現していくために何が必要かを考える場である点に大きな魅力を感じ、二つ返事で参加させていただきました。

GXについての大局的な知見を身に着ける「GX概論」プログラムでの、印象的な学びを教えてください。

特に印象に残っているのは、葉村真樹氏(都市システム)の講義です。地方創生について触れられた際、周囲の都市との相対的な関係の中で、その都市が果たしうる役割を考える必要があるというお話がありました。周囲との関係を踏まえずに、自らがやりたいことだけを進めてしまうと、「砂漠に水をあげるようなもの」になってしまうという比喩が強く印象に残っています。水をあげるという行為そのものは、ゼロをイチにするためには不可欠です。しかし、社会に変容を促すためには、その行為自体が社会から求められているものであることが同時に必要であると認識しました。さらに、社会を実際に変えていくためには、イチをヒャクへと広げていく「スケール化」の力が求められます。特に革新的な技術を持たない我々金融機関がGXにどのように関わるべきかを考える中で、この「スケール化」こそがファイナンスによって支援でき、かつ求められている機能ではないだろうか――金融×GXにおける相対的な役割のイメージを掴むことができた学びとなりました。

共創を推進する力を身に着ける共創価値創造セッションでは、田中さんはタイに対する政策提言に取り組まれました。政策提言というフレームや、業種やキャリアが異なる仲間とのチーム編成など、普段ない経験も多かったと思います。ご自身のなかでどのような成長を感じられますか。

バックグラウンドが全く異なるメンバーとともに、最終提案に向けて議論をまとめていくプロセスは、非常に濃密な経験でした。
社内であれば「暗黙の了解」で通じる部分も、このチームでは通用しません。メンバーがどこで引っかかっているのかを丁寧に考えながら、平易な言葉やシンプルなロジックに組み直し、合意形成を図る必要がありました。その難しさがある一方で、自社内の閉じた世界観だけでは得られない新鮮な視点や気づきを得ることができ、多様性(ダイバーシティ)がイノベーションを生むということの一端を、身をもって実感する経験となりました。

Green Innovator Academyでは現場での学びも大切にしています。フィールドワークではどのようなことが印象に残っていますか。

リーダーとしてのマインドセットを育むうえで、萩の開校式が特に印象に残っています。
歴史的な偉業も、ひも解いていけば、一人ひとりの「個」が志を持って行動した積み重ねによって成し遂げられたものであり、その結果として傑出したリーダーとして評価されるのだと感じました。傑出したリーダーであるかどうかは後に決まるものですが、まずは自分自身が何を成し遂げたいのかという明確なビジョンを持つことが重要であるーーそのことを強く実感した開校式でした。

 

プログラム期間中にはコーチングの機会が設けられていましたが、そのプロセスを通じて得られた学びや、ご自身の中で実感されている変化があれば教えてください。

コーチングの機会を通じて、自分が目指したい姿は「個の力を引き出せるリーダー」であることに気付くことができました。セッションでの内省を経て、個々の能力を引き出すための土台として、自ら自己開示を行い、信頼関係を構築することが鍵であると感じました。
今後は、私自身もメンバーに対してコーチング的な関わりを持ち、相手の考えを引き出しながら、身近な人であっても常に新鮮な一面を見出せるような、個の可能性を最大化するリーダーを目指していきます。

プログラム中には各界の第一線で脱炭素社会を推進する講師や共にプログラムを受講した同期の仲間など、たくさんの人と出会い話されたと思います。特に心に残る出会いを教えてください。

タイに対する政策提言を行ったチームメンバーとの出会いは、非常に得難いものとなりました。年齢やこれまでの経験もさまざまで、時には喧々諤々の議論を交わす場面もありましたが、互いへのリスペクトを持って向き合うことで、短い期間ながらも高い信頼関係を築くことができたと自負しています。(議論が白熱しすぎて、GIA事務局の皆さまにはご心配をおかけしていたようですが…)GIA5期のプログラムは修了しましたが、今後それぞれが出身母体で活躍し、現実のビジネスの場においても再び接点を持てる日を楽しみにしています。

Green Innovator Academyでの学びをどのように普段の業務に活かし、周りに広げていきたいと考えていますか。

銀行業にとってエネルギー産業は大きな与信先ですが、体系的にGXを学んだ人材はまだ多くありません。今後は、本プログラムで得たエネルギーの過去・現在・未来に関する知見を活かし、従来の常識からの変化をもたらせる存在になりたいと考えています。特に、大きな目標と小さな目標の双方に対し、自分自身が明確な「ビジョン」を持つことの重要性を学びました。そのビジョンに共感してもらい、チーム全体で実現していく力を、日々の業務の中で実践し磨いていきたいです。

最後に、田中さんが目指すイノベーター像を教えてください。

クロージングセッションの中で、「自利利他公私一如」という言葉が紹介されていました。自らの利益のみならず、社会全体の利益も重視するという意味を持つ言葉であり、現代のサステナブル経営やCSR経営にも通じる考え方です。私自身も、日頃から大切にしている言葉の一つです。一個人で咀嚼するには少し大それた言葉ではありますが、一人ひとりの力は決して大きくはなくとも、より良い社会へのビジョンを持ち、小さな変化を積み重ねていくことで、それはいずれ大きな変化へとつながっていくものだと信じています。小さな一歩であっても、社会に良い変化をもたらすイノベーターでありたい――その思いを胸に、これからも行動していきたいと考えています。Be The Change!

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