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仲間とのつながり、フィールドワーク、そしてそこから生まれる対話を通じて、自分の進路が見つかった(学生コース:岸野 奏氏)

仲間とのつながり、フィールドワーク、そしてそこから生まれる対話を通じて、自分の進路が見つかった(学生コース:岸野 奏氏)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。学生コースでは、日本全国から様々な学生がGIAに参加してきて、それぞれが自身のキャリアを前に進めています。
今回は、GIA学生1期生の、岸野 奏 さんに卒業後インタビューを行いました。

PROFILE

岸野 奏 さん
1期生(参加時:信州大学人文学部人文学科2年)
現在:東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻修士課程

ーGIAに応募したきっかけを教えてください。

私自身が小学校の同級生が7人しかいないほどの少子高齢化や人口減少が進む地域の出身のため、「田舎(ローカル)には何もない」という考えが強かったですが、大学に進学し、たまたま地方創生の事例に触れることがあって、考え方が変わりはじめました。偶然関わった地域の里山の風景や、地域の文化に興味を持ち始めたことがきっかけです。しかし、ローカルの抱えている課題は出身地と同じで、人口減少などの理由により美しい里山の風景がこれからも見られるかはしれない、という現状を知りました。地域の資源を活用することで脱炭素社会の実現ができれば、こうしたローカルをなんとかすることができないだろうか?そう思ってGIAに応募しました。

ーGIAに参加する以前において、GIAについて思っていたこと/考えていたことを教えてください。

地域の資源を活かして、ローカルをどうにかしたいというモチベーションで参加を決意したわけですが、自分が何をするのかまで考えていなかったです。とにかく、ローカルの魅力に気づき、興味を持ってもらう人を増やすことができれば、問題の解決に繋がるのでは?と、そんなことは思ってましたが…。GIAに参加することで、具体的に、バイオマスや小水力発電など、地域の資源を活かした脱炭素社会の実現する事例を学ぶなどして、自分が何をすればいいのか見えてくるのではないか、と思っていました。

ーGIAにおける一番の思い出の写真とエピソードを教えてください。

福島のフィールドワークですね。街を歩いて目にした立入禁止の看板など、本当に時が止まったままの街並みが印象的で。そこでお話をしていたとある社会人のかたが、「エネルギーを巡って過去に戦争になったことを考えると、(むしろ)これだけで済んだなら良かったんじゃないかな」、そんな風に仰っていました。確かに原子力があるおかげで福島に職ができて、地域のためになったのは確かだと思います。しかし、これだけのことが起きていて、本当に仕方がない、という風に片付けていいのかとすごく考えさせられました。

「大都市にエネルギーを供給するのに、地方が原子力というリスクを背負う、本当にこの社会構造でいいのか、そうならざるを得ないのか?」と。絶対にそんなことはない!ローカルにはもっと可能性がある!それが自分の答えでした。ローカルに興味を持ってもらう、くらいでは問題は解決されない。例えば、森林資源など未利用の地域資源を活用することで、ローカルを変えていきたい、自分の考え方が変わったのは、福島に行ってからでした。

ー卒業後の自身のビジョンや心境の変化について教えてください。

GIAに参加したのは2年生でしたので、タイミング的には就活を考え出す時期でした。「地域資源を活かした活性化」といった自分なりの軸を持っていたのですが、実際に働くとなるとどんな業界か、どこで地域との接点をもつことができるのか分からず悩んでしまいました。一度就活から離れて、地域の現場に入り、地域資源の活用に関わることで、自分がどんな役割を担うことができるのかを知りたいと思うようになりました。

そこで、GIAを運営するGreen innovation共同代表である坂野晶さんが代表を務める、Zero Wast Japanのインターンに飛び込み、長野県小布施町で活動をしました。小布施町は栗や果樹の栽培が盛んなのですが、大量の剪定枝が発生し、それらが活用されていない現状がありました。私が関わったのは、剪定枝など町内から出る有機系資源をバイオ炭にする実証実験で、実際にやってみると、炭にする工程は手作業が多く時間がかかる一方、一度で完成する炭の量は少ないといった課題が浮かび上がりました。これまで、ざっくりと「地域資源の活用」と自分の中では一括りにしていましたが、インターンとして関わることで、その活用を進めるために取り組む必要がある課題は、それぞれの地域資源によってさまざまであることが分かったのです。そして、その課題を明らかにするためにも専門的知見をもっと自分は磨くべきだと考え、大学院への進学を決めました。

ーGIAを通じて、自身のキャリア選択において影響を受けたことを教えてください。

地域資源を活かしたエネルギー問題の解決を目指し、専門的知見磨くために、大学院への進学を決めました。これまで人文科学の領域にいたので、どこの大学院に進学すべきか大変悩ましかったのですが、GIAで出会った皆様にも相談、サポートをいただき、進路を決めることができました。GIAに入ったことで築くことができたつながり、提供いただいた機会があってこそ、自分の進路を見つけることができたと考えています。

ー4期生を目指す学生にメッセージをお願いいたします。

もしGIAに参加していなかったらいまの自分がどうなっていたか分からない ― 確信をもってそう言えるほどに、GIAに参加したことが貴重な財産になっています。皆さんは同じ大学の身の回りの仲間に、自分が活動していることや、感じている社会への違和感を伝えられているでしょうか。思いや志を同じくする仲間と出会うことができる場所がGIAです。ここに集うのは全国の大学からさまざまなバックグランドを持つ学生で、皆さんの意見に必ず耳を傾けてくれます。そして、同世代にも自分と同じような境遇にある、自分よりもすでにもっと活動的な仲間からも刺激を受けることができます。そんな仲間とのつながり、そこから生まれる対話は本当に価値のあるものです。「こんな未来を創りたい!」、そう語り合える仲間と出会えることを願っています。

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