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諦めない力、対立を乗り越える経験を糧にして(学生コース:別木苑果氏)

諦めない力、対立を乗り越える経験を糧にして(学生コース:別木苑果氏)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。学生コースでは、日本全国から様々な学生がGIAに参加してきて、それぞれが自身のキャリアを前に進めています。
今回は、GIA学生1期生の、別木 苑果 さんに卒業後インタビューを行いました。

PROFILE

別木 苑果 さん
GIA1期生(参加時:東京大学教養学部 学際科学科国際環境学コース2年)
現在:関西電力株式会社 エネルギー・環境企画室

ーGIAに応募したきっかけを教えてください。

大学生になった当初から、知識を持っただけの人間や机上の空論だけの頭でっかちな人間にはなりたくないと考えていたことから、自分の手と足を使ってとにかくやってみることができる行動力や、一人ではなくて他の人と一緒に掛け算で力を出せるチーム力を身につけたいと思うようになりました。コロナ禍で友人との交流が制限される学生生活を1年半近く過ごしていた当時、全国各地から100名が集まり、フィールドワークなどの対面の場を交えるアカデミーが開校されることを偶然知ったことで、これは本気のプログラムだと感じ、GIAに応募することに決めました。

ーGIAに参加する以前において、GIAについて思っていたこと/考えていたことを教えてください。

GIAに参加するにあたり、まず応募文章を書くのにすごく戸惑ったことを覚えています。「2050年までに必要な変化のためにあなたはいま何をしているか」という設問があって、「それがないからいまこうして応募しているんだよ…!」と心の中で叫びながら、何とか絞り出して応募しました。

プログラムが始まってからも、博士や修士の学生たちの専門的な質問に圧倒されたり、懇親会の場での周りのエネルギーやトーク力に圧倒されたり、とにかく刺激的な出来事の連続でした。GIAのプログラムでは講義の質疑応答は挙手制となりますが、数回連続で私の直前で質問が締め切られ、その挙手のタイミングの絶妙な遅さ(=迷い)が自分の弱さだと痛感し、へこんだことを覚えています。とはいえ、まさにその刺激を求めてGIAに参加した身であり、へこんでばかりもいられないので、周りの1期生たちを追いかけてやるしかない!と思って踏ん張りました。ちなみに、この時に追いかけていた1期生の人たちをいまも追いかけていて、これからも追いかけ続けるような気がしています。それくらい私にとっては大きな出会いでした。1期生の仲間に限らず、講師や事務局の方など、追いかけたい思う方々との出会いもGIAの魅力だと思います。

ーGIAにおける一番の思い出の写真とエピソードを教えてください。

GIAのプログラムの後半に行われた、グループワークのチームの最終発表の様子を写した写真です。チーム内での対立を乗り越えたことが印象に残っています。

私のチームでは、建築系、工学系、国際系のメンバーでアフリカにおける水素の利用について議論していました。しかし、議論を進めるなかで全く異なるアイデアが2つ出てきて、チームの意見が真っ二つに割れたのです。私のアイデアとは異なるもう一つのアイデアは、私とはこれまでの経験や思考が全く異なるメンバーからの発想で、もうこれ以上議論を続けることは無理かもしれない、、、と折れかけました。一方で、GIAにおいて分野横断での協働の重要性を学んでいたことから、ここで議論をやめてはいけない!と思いとどまることができました。議論を続けた結果、実は目指したい方向性は同じであり、時間軸の設定が異なっていただけだったことに気付くことができました。ヒリヒリする議論を続けて意識的に対立を乗り越えるという経験ができたこと(新鮮でした!)、この対立を乗り越えてメンバー間の距離が一気に縮まって議論が楽しくなったこと、さらにはGIAで身に付けたいと考えていた「議論を途中で諦めない力」を実践できたということもあって、私の中で忘れることができない一番の思い出です。


↑なんだか強みの異なるメンバーが集まっていた様子が伝わりますでしょうか

ー卒業後の自身のビジョンや心境の変化について教えてください。

GIAを通じての価値観の変化は様々にありますが、一番大きな変化は、考えて考えて行動しない選択をしていた自分が、良い意味で、あまり考え過ぎずに行動できるようになったことだと思います。

この変化は、GIAに参加したことによる大学外への行動範囲の広がり、GIAプログラム内でのフィールドワークや企業訪問で各地に赴く経験、他の1期生たちの活動フィールドの広さから受けた刺激、の3つにより起きたと感じています。特に、行動しまくっている同世代の仲間がいると、何もしていない自分のつまらなさと感じると同時に「行動すること」が身近になり、障壁がぐっと下がりました。

GIAを修了した時に提出した資料には、「残りの大学生活2年も含めこれからより多くのことに挑戦していけると思う」と記入していたのですが、実際GIAを修了してからいまに至るまでどんどんやりたいことが増えて行動範囲も広がってきたと思います。大学を卒業し就職したいまのタイミングにおいて感じるのは、一つ一つの行動による経験の積み重ねが、自分の価値観や考え、強みを形成しているということです。GIAを通して、自ら行動を起こしにいく姿勢を少しでも自分のものにすることができてよかったです。

ーGIAを通じて、自身のキャリア選択において影響を受けたことを教えてください。

学生生活では、大学内でのサステナビリティ推進に関わるきっかけになりました。GIAが大切にしている考え方の1つに、「Be the Change」という言葉があります。誰かのせいにせず自ら変化を起こすことの大切さを学びました。また、「Think globally, Act locally」という言葉からも、大局的な視野を持ちつつも地に足をつけて行動することの大切さを学びました。そしてこれらの言葉をもとに、同じ大学からGIAに参加していた先輩が「大学生にとってのローカルは大学だと思うんだよね」と大学内での活動に誘ってくれました。結果、大学4年生の時に、大学のなかで「UTokyo Sustainability Week 2023」という東大で初めての全学的な学生・教職員・生協によるGX推進イベントを開催することができました。自分が属する大学という場で、多様なアクターが共創するイベントを開催することができたのは、間違いなくGIAでの学びがあったからだと思います。

進路選択においては、気候変動対策に資するシステム転換に関わりたいと考えるきっかけになりました。 「気候変動に資する」という観点では、気候変動という課題の複雑性を学ぶ一方、複雑だからこそ注目や資本が集まることも理解し、これらが少子高齢化をはじめとした難題を紐解くきっかけになると思うようになりました。同時に、GIAにおいて多様なセクターでの前向きな取り組みを知ったことで、自分もこの気候変動という分野に取り組む一員になりたいと思いました。また「システム転換」という観点では、GIAのプログラムを通して、大局観や俯瞰する力の大切さや環境課題が迫る社会転換の大きさを痛感しました。これらの考えが今春から働き始めた電力会社という進路選択の源泉にあるように感じています。

ー4期生を目指す学生にメッセージをお願いいたします。

GIAに関わる人とのすべての出会いや得られた経験やマインド、価値観は私にとって本当に大切な宝物です。GIAについて少しでも魅かれることがあるのなら、とにかく応募してみてください!やらない後悔よりやる後悔で、触れもせずに通り過ぎるにはもったいなすぎる機会だと思います。

そして、応募して参加できることになったら、ぜひGIAという場を全力で活かしてみてください。プログラムでのワークをこなすのか最高の場を活かすのかで、プログラムの楽しさや仲間との出会いの深さは全く異なってくると思います。キックオフやフォーラムの場でお会いしましょう!

↑今も3か月に1回同窓会で会っている大事な仲間たちです

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