• ホーム
  • メディア
  • 仲間と共に変化を積上げ、人間の経済活動が地球をより良くする世界を実現したい(村田製作所 大森敦子氏)

仲間と共に変化を積上げ、人間の経済活動が地球をより良くする世界を実現したい(村田製作所 大森敦子氏)

仲間と共に変化を積上げ、人間の経済活動が地球をより良くする世界を実現したい(村田製作所 大森敦子氏)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。2024年度は、企業の経営幹部候補や若手リーダー、ベンチャーCEO、省庁職員、自治体職員など60名が参加しました。(また並行して大学生を対象としてもプログラムが実施されています。)

今回は、株式会社村田製作所の大森さんに参加後のインタビューを行いました。

PROFILE
大森 敦子(おおもり あつこ)氏
株式会社村田製作所
新規事業推進部環境事業推進課
2002年入社。コンポーネント事業部でノイズフィルタの設計開発を担当、同事業部の技術営業、企画を経て、2024年に新規事業推進部環境事業推進課に異動。

―はじめに、大森さんの普段の仕事内容とGreen Innovator Academyに参加したきっかけを教えてください。

環境事業推進課に所属して、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブな社会を実現する上での課題を解決するために必要な技術と事業の開発検討を社内外の方々と行っています。本アカデミーに参加したのは、電子部品開発製造販売のフィールドから環境事業推進課に異動したことをきっかけに、GIAに参加して、GXのリテラシーを高めたいと考えました。

―GXについての大局的な知見を身に着ける「GX概論」プログラムでの、印象的な学びを教えてください。

金平直人氏の講義「地球公共財と多国間主義」です。
地球公共財である環境資源を守り、GXを実現することは全人類の課題です。でも、なかなか前に進みません。GXが難しいのは、国際的な協力が不可欠である一方、市場統合や国家主権とのトレードオフを伴うことが要因です。グローバルな課題の対処には、国益を尊重しつつも、主権の再定義が必要である、と学びました。GXは課題が複雑だからこそ、自分の専門分野から遠いところに越境し、視野を広げる​​​ことが大事であると再認識しました。

―大森さんはタイのグリーントランスフォーメーション推進に関する政策提言に取り組まれました。
政策提言というフレームや、業種やキャリアが異なる仲間とのチーム編成など、普段ない経験も多かったと思います。ご自身のなかでどのような成長を感じられますか。

日本国内に留まらず、アジア全体の脱炭素に向けた動向を知り、意見を交わす事ができました。そして、人脈形成もできたと思います。地球公共財を守り持続可能な社会を創る上では、各々の視点や立場を理解し、それぞれの立場でできる活動を実行に移すことが大切であると学びました。

―Green Innovator Academyでは現場での学びも大切にしています。フィールドワークではどのようなことが印象に残っていますか。

タイでのフィールドワークが印象に残っています。
アジア地域でのGX提言として、タイにおけるE-waste循環経済構築をテーマに政策を検討していました。フィールドワークに行くまではマクロや1次情報での検討に留まっていたのですが、実際にタイを訪れ、都市であるバンコクと地方のウドンタニの発展度合いの差を肌で感じるとともに、都市部と地方の廃棄物処理において、インフォーマルセクターに頼らざるを得ない実態を目の当たりにしました。 訪問させていただいたCBTでは、日本の技術をタイで実装しようとする取り組みの経緯やビジネス化の難しさを学びました。

―プログラム中には各界の第一線で脱炭素社会を推進する講師や共にプログラムを受講した同期の仲間など、たくさんの人と出会い話されたと思います。特に心に残る出会いを教えてください。

現職では出会うことがなかった金融の方、商社の方、スタートアップの方のアイデアに刺激を受けました。ただ、現時点ではGIAでの出会いを、変化に繋がる具体的な共創アイデアを持った行動にできていないんです。キックオフで岡田氏が話された「淵黙雷声」、能書きよりも一歩進んでみよ。計画ばかり立てているのではなく、動いてみる。フォーラムでJera Cross市倉氏の「戦略やビジョンは創れる。でも総論賛成・各論反対となってしまうケースが多い。キーは『実行』、とにかく『実行』」という話が突き刺さっており、
「動かなければ…。」と思っています。

―Green Innovator Academyでの学びをどのように普段の業務に活かし、周りに広げていきたいと考えていますか。

社内で今回の学びの共有を行いました。当社は、GHG排出削減率、再エネ導入比率、持続可能な資源利用率、循環資源化率の数値目標を掲げており、それに向けた様々な活動に取り組んでいます。
アカデミーでも学んだように、総論としてはやるべきでも、実際は経済性を著しく損なう場合は実行が難しく、どの施策をどのレベルまで実行するか、等の検討は非常に難しいです。ただ、学びの共有により、これまで接点のなかった社内外の方からお声掛けいただき、目標値に向けた施策の創発活動が始まっています。

―最後に、大森さんが目指すイノベーター像を教えてください。

「共感する仲間とともに、小さな変化を積み上げて、大きな変革にしていくパワーをもったイノベーター」になりたいです。そして人と地球の関係を変革し、人間が経済活動するほど地球が良くなる世界を実現したいです。というのも、フォーラムのKeyNoteセッションで日本政策投資銀行の蛭間芳樹氏が話されていた「人間と地球の関係性を変えたい、活動すればするほど地球が良くなるように変革すればよい」という考え方に共感したからです。言うは安し、実際は出来ない理由だらけ。突破口を見つけたと思って深掘りするとまた壁にぶつかります。「対局で考える」と「実態を深く知る」、「動き回る」と「熟考する」 を行き来し、前に進み続けたいと思います。

↑

Contact / Request documents

GXコンサルティングに関する
資料請求・お問い合わせ

お問い合わせはこちら 資料請求はこちら