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GXに繋がる成果をさらに増やしていきたい。野川祐弥氏(株式会社日立ハイテク)

GXに繋がる成果をさらに増やしていきたい。野川祐弥氏(株式会社日立ハイテク)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。3年目の2023年度は、3期生として社会人は企業の若手リーダー、ベンチャーCEO、市長、省庁自治体職員などが60名参加しました。(また並行して大学生を対象としてもプログラムが実施されています。)

今回は、GIA社会人3期生で、株式会社日立ハイテクの野川祐弥さんに参加後のインタビューを行いました。

PROFILE

野川 祐弥(のがわ ゆうや)氏
株式会社日立ハイテク SCレジリエンス推進本部 マテリアルソリューション部
2010年入社。家電工場向けプラスチック樹脂原料の営業、白物家電工場での樹脂・非鉄調達業務、国内外の家電工場向け樹脂販売及び取り纏め等を経て、現在は素材関連産業向けDXソリューション(SaaS)事業に従事。顧客フロントに立つ営業を兼務しながらデータサイエンティストやマーケティングなどを有するチームのマネージャー業務を担う。日立製作所と連携しながら国内外での事業拡大を推進している。

―はじめに、野川さんの普段の仕事内容を教えてください。

素材開発をAI技術で効率化する「マテリアルズインフォマティクス(MI)」というデジタルソリューションをグローバルで事業展開しており、昨年から営業マネジメント業務も行っています。目下、国内外での事業拡大に向けてチームのみんなで試行錯誤しながら、新規事業の厳しさと楽しさを日々感じているところです。

―なぜGreen Innovator Academyに参加したのでしょうか。

GIAの場が単にグリーン関連知識を学ぶだけでなく、参加者の成長と実社会でのGX実現に焦点を当てた取り組みだと感じたからです。また、リーダーシップ教育やセクターを超えた繋がりなど、正に私自身が必要としていた学びの領域もプログラム内容に描かれており、自身と事業の成長に活かせればという想いで参加を決めさせて頂きました。

―GXについての大局的な知見を身に着ける「GX概論」プログラムでの、印象的な学びを教えてください。

強いて挙げると、講義で直接質疑応答もさせていただいた、Degas株式会社牧浦土雅氏の講義です。

アフリカでのNbSクレジット(自然に基づく解決策であるNature-based Solutionsから創出されるクレジット)創出事業自体が非常に興味深い取組みで、何より社会課題を「機会」と捉えながら、泥臭く三現主義に根差してしっかりと成果を上げられている事に尊敬の念を抱きました。

また、デジタル要素も取り入れたマーケティング手法や、低所得農家の方々の本質ニーズを捉えて、異国の地でそもそも競合がいない環境を上手く作られている戦術が、事業確立のストーリーとして興味深かったです。さらに、先進国によりアフリカ諸国等が不利益を被る現実を踏まえて、原体験や感情に訴えかけるような内容で、とても印象に残った講師・講義でした。

―共創を推進する力を身に着ける共創価値創造期では、野川さんは新規事業立案に取り組まれました。どのような学びがありましたか。

考え方の面では、発表資料の締切が迫るなかで「資料を綺麗に作るとかでは無い。仮にスライドが1枚でも、この想いがあってこの事業を実現するんだと強く示すこと」といった教えを講師の細野真悟氏(ローンディール株式会社)から何度も頂き、参加者のマインドセットを変えて頂きました。

テクニカル面でも、会社で事業推進するなかにおいては競合との競争意識が必然強くなりがちでしたが、講師の田中大祐氏(シリアルアントレプレナーアラバスタ日本代表)からは発想を切り替えて競争自体を避けてマネタイズを図る考え方など非常に参考になる指導を頂きました。

また、何よりも、新規事業立案では各メンバーが個別に事業プランを練るなかで、懇親も深めながら相互フィードバックを実施したり、想いのこもった互いの成果物自体や目覚ましいブラッシュアップの過程で沢山の刺激を貰えた時間が、得難いものだったと感じます。

――Green Innovator Academyでは現場での学びも大切にしています。フィールドワークではどのようなことが印象に残っていますか。

私はフィリピン、札幌、福島と3つのフィールドワークに参加しました。フィリピンではADAMCO農地兼研修所訪問や、現地に身を置く世界銀行の職員からの真摯かつ貴重なお話をお聞きし、札幌市でも石狩洋上風力事業見学などで北海道のポテンシャルを大いに感じるなど語りつくせない経験をしましたが、最も印象に残っているのは最初に参加した福島フィールドワークです。

震災・原発のことはある程度知っていたはずでしたが、比喩ではなく実は何も知らなかったんだということが身に染みて分かったフィールドワークでした。全体のGIA研修でも菅原さんが度々言及されていた、「正解が無い世界」ということの究極の例だったと感じます。人も含めて、そこから無くなってしまったもの、今もそこに残るもの。何が良いとか悪いとかを超えた世界を考え抜く研修に際して、タイミング含めてとても意義深かった2日間でした。

―プログラム中には各界の第一線で脱炭素社会を推進する講師や共にプログラムを受講した同期の仲間など、たくさんの人と出会い話されたと思います。特に心に残る出会いを教えてください。

講師の方々は勿論、自分より年上の受講生達との出会いが特に良い刺激でした。特に後輩に譲るなどの何か遠慮をするといったマインドは無いつもりでしたが、研修全体を引っ張っていくような勢いのある先輩受講生達の姿を見て、一層気が引き締まった記憶があります。そのなかに同じ日立グループの人達がいたのも嬉しい出会いでした。

また、圧倒的に若い年代の受講生との出会いも印象的でした。特に若手官僚の方も多くシンプルに学びも多かったですし、少なからず先導する立場でもある身として負けられない・恥ずかしい仕事は出来ない、といった気持ちを改めて思い出しました。それぞれが今いる場所で同じ大きなゴールを目指した結果、自分の仕事やサービスで自然な形で貢献や協創が出来たら嬉しいですね。

―Green Innovator Academyでの学びをどのように普段の業務に活かし、周りに広げていきたいと考えていますか。

日立グループ全体としてはエネルギー関連事業が多くありますが、自分自身は環境・エネルギーに直結するミッションをメインで担っているわけではありません。研修当初はその点をネガティブ要素と感じることも正直ありましたが、だからこそ経験できた意識変化のプロセスによって、今後周りに還元できることも多いと捉えています。

講師の前田雄大氏の著作に「脱炭素は経済成長の源泉」とありますが、様々な立場の方が講義を通して何をどう捉えて感じるのかを見聞きできたのは、今後社内やお客様を導いていくにあたって必ず活かせると感じます。

また、元より需要サイドとして間接的に環境貢献余地のあるサービスを扱っていましたが、GIAで意識を高めることが出来たおかげもあり、直近の自社ニュースリリースのなかで明確に環境貢献のアプローチと定量効果を入れることに成功しました。GXに繋がる仕事での成果も今後更に増やしていきたいです。

―最後に、野川さんが目指すイノベーター像を教えてください。

リーダーシップの話に少し寄ってしまうかもしれませんが、JT岩井さんの講義でも深く共感できた「倫理」というキーワードを大事にしながら、どんな環境変化のなかでもチームメンバーと共に小さな変革や成長を繰り返して勝負していける人が、理想のイノベーターだと考えています。

イノベーティブなソリューションやアイディアも重要だと思って仕事をしていますが、人の想いや行動に想いを馳せることが出来るマインドを持ち続けて、周囲の人達と前向きな変化を重ねることが、人と地球が住み良い未来に繋がると信じています。幸いなことに、所属企業も同じ方向を向いていることに加え、周囲にも恵まれた環境にいるので、皆と一緒に出来る限り大きな貢献をしていきたいと思います。

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