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GXに向けて何をやるべきか覚悟を持つきっかけに。小林育朗氏(株式会社日立製作所)

GXに向けて何をやるべきか覚悟を持つきっかけに。小林育朗氏(株式会社日立製作所)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。3年目の2023年度は、3期生として社会人は企業の若手リーダー、ベンチャーCEO、市長、省庁自治体職員などが60名参加しました。(また並行して大学生を対象としてもプログラムが実施されています。)

今回は、GIA社会人3期生で、株式会社日立製作所鉄道ビジネスユニット所属の小林育朗さんに参加後のインタビューを行いました。

PROFILE

小林 育朗 (こばやし いくろう)氏
株式会社日立製作所 鉄道ビジネスユニット 国内営業統括本部 交通部
2006年入社。都市ガス・石油元売等エネルギー会社向け営業を経て2018年より現職。

―はじめに、小林さんの普段の仕事内容とGreen Innovator Academyに参加したきっかけを教えてください。

現在は鉄道事業者様向けに鉄道車両、信号システム、ITシステムなどの営業担当をしています。特に最近では、コロナ禍を経て大きく事業環境が変化するなかで、お客様の課題解決を共に検討しながらAIなどを用いたDXソリューションの提案にも力を入れています。

近年、提案活動のなかで、お客様の投資、経営判断においてESGを重視される傾向が強くなっていると実感しています。事業部門の最前線にいる我々のような立場こそESGの視点を理解し実践していくことで、将来に向けビジネスを正しい方向に導けるのではないかと考え、GIAの社内募集に立候補しました。

―GXについての大局的な知見を身に着ける「GX概論」プログラムでの、印象的な学びを教えてください。

社会人になってからインフラ業界向けの営業一筋であった私にとって全ての講義が新鮮でした。そのなかでも多くの講義で共通していたと感じるキーワードが「地域創成」や「ローカル」です。

例えば、国際経営開発研究所(IMD)の高津尚志氏の「グローバル化は終わり、ローカルでサプライチェーンを構築していくことがこれからの社会にとって重要だ。」という言葉が印象に残っています。同様の話は他の講師の方からも出ていましたが、サーキュラーエコノミーや自然エネルギーの効率利用の観点では非常に腑に落ちる考え方でした。他にもこれまで自分が経験したことのない世界で活躍されている講師の方々の熱い思いを多数お伺いでき、心を動かされました。

―共創を推進する力を身に着ける共創価値創造期では、小林さんは新規事業立案に取り組まれました。どのような学びがありましたか。

新事業立案にあたって、出てきたアイデアを突き詰めていくと課題が多く見えてきます。行き詰る~巻き戻して事業内容を見直すという作業を繰り返すなかで、講師である起業家のみなさんからたくさんのアドバイスをいただきました。

特に印象的だったのが、検討を重ねてなんとなく計画がまとまってきた時の株式会社ローンディールの細野真悟の一言でした。「大企業の人はすぐキレイに置きに行ってしまう。不完全でも本当にやりたい事を追求したか?」と言われて、見栄えを整えることに集中している自分に気づかされました。その後立案内容はリセットして検討し直し発表をしましたが、この細野氏の指摘は大組織で仕事をする普段の自分にも突き刺さり、意識を変えることができたと思います。

―Green Innovator Academyでは現場での学びも大切にしています。フィールドワークではどのようなことが印象に残っていますか。

私は全部で3つのフィールドワークに参加し、地域の課題に向き合う経験となりました。

福島フィールドワークでは、帰還困難区域、中間貯蔵施設、福島第一原発の視察を経て、事故の大きさや地域の方々の複雑な心境、原子力発電との向き合い方などについて自身がこれまでに抱いていた固定観念が大きく覆されました。

札幌フィールドワークでは、北海道ガスさんや北海道電力さん、札幌市役所さんのお話をお伺いして、脱炭素に向けて北海道ならではの地域性のある課題が多数あるということがわかり、各地域で解決策を検討する重要性を学びました。

日置フィールドワークでは、エコベースさんや丸山喜之助商店さんを視察して、企業が自治体と連携することによって、リユース、リサイクルの幅は拡大すると感じました。自治体だけではできないことは企業の力を使うことは選択肢になりますが、コストや利益を優先しなければならない企業に対してどのようにアプローチするかということも重要だと思いました。

―プログラム中には各界の第一線で脱炭素社会を推進する講師や共にプログラムを受講した同期の仲間など、たくさんの人と出会い話されたと思います。特に心に残る出会いを教えてください。

開講式に出席した際、最初に話をした方が受講生として参加されていた日置市長の永山氏でした。現役市長と個人的に会話する機会は初めてでしたが、地域に対する熱い思い、地方行政の難しさなどをお伺いすることができ、初日から刺激的だったのを覚えています。

また、新事業立案のチームメンバーとは、互いに切磋琢磨して発表を作り上げてきたという点で、特に強い絆を感じています。その他、講師のイノベーター方々、官民問わず様々な職種の同期受講生、菅原氏、坂野氏をはじめとした運営のみなさんとも交流する機会を多くいただきました。社会課題に対し、みなさんと議論ができたことは貴重な経験でした。

ここで培ったネットワークは維持し、仕事にも繋げられたらと考えています。まずは各々の領域に関する情報交換から始めて、将来的に何か事業ができれば理想ですね。

―Green Innovator Academyでの学びをどのように普段の業務に活かし、周りに広げていきたいと考えていますか。

講義で学んだ内容やフィールドワークでの体験を、社内に持ち帰り共有しています。自身の職場が営業部門ということもあって、GXに関して強い関心を持っているメンバーはまだ少なく、意識を変えていきたいと考えています。

また、研修の締めくくりとしてGreen Innovator Forumで発表した新事業案については、具体的に検討を続けています。実際、お客様や社内にもヒアリングを行っていますが、ハードルは非常に高そうです笑。しかし、GIAで出会ったイノベーターの方々から学んだ、困難に立ち向かう姿勢を思い出しながら、今後も実現に向けて努力していきたいと思います。

―最後に、小林さんが目指すイノベーター像を教えてください。

社会課題に対し大義を抱いて強力な推進力で行動することが非常に重要だと思いますGIAでイノベーターの方々が「社会を変えたい」という強い意思で事業に取り組んでおられる姿を見てこのように感じました。

私は現在、鉄道に関連する仕事をしています。鉄道は他の交通機関と比較しCO2排出量が少なく、私は鉄道を普及させることで脱炭素に貢献していきたいと考えています。しかし、ラストワンマイルをどうするかなど交通手段としては鉄道だけでは賄いきれない部分もあります。現在の業務に捉われず、「移動」という観点で社会を変えられるように行動したいと考えています。自分はGXに向けて何をやるべきか? 覚悟を持つきっかけをGIAでの経験が与えてくれたと思います。

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