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具体的な連携の可能性を議論できたことが財産に。永山由高氏(鹿児島県日置市長)

具体的な連携の可能性を議論できたことが財産に。永山由高氏(鹿児島県日置市長)

Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。3年目の2023年度は、3期生として社会人は企業の若手リーダー、ベンチャーCEO、市長、省庁自治体職員などが60名参加しました。(また並行して大学生を対象としてもプログラムが実施されています。)

今回は、GIA社会人3期生で、県内最年少首長としても注目されている鹿児島県日置市の永山由高さんに参加後のインタビューを行いました。

PROFILE

永山 由高(ながやま よしたか)氏
鹿児島県日置市長
2006年、日本政策投資銀行入行。起業(鹿児島天文館総合研究所Ten-Lab)、循環事業のスタートアップ ECOMMITを経て、2021年5月の日置市長選挙で当選し、日置市長に就任。

―多忙な公務のなかでGreen Innovator Academyへの参加を決めた理由を教えてください。

日置市は鹿児島県の県都である鹿児島市に隣接する人口約47,000人の小さなまちです。人口減少と過疎化に対抗するため、市ではGX、子育て支援、DX、公民連携を重点投資分野と定め、就任直後から市政の脱炭素化を進めてきました。地方自治体において、首長の権限は非常に大きいです。だからこそ、重要施策に対しては首長自身が相応の知見をもって関与することが重要です。今後、市として脱炭素を進めるために、まず私自身が脱炭素に関する基礎知識を学びなおし、知識をアップデートする必要を感じていたことから、プログラムに参加することにしました。なお、参加にあたってインプットセッションのほとんどがオンライン参加可能だったということも、決め手の一つになりました。

―プログラム中の印象的な学びを教えてください。

まず、脱炭素に関する状況を客観的に把握する上では非常に有用な講座・参考書籍が多かったです。特に日置市では洋上風力発電に関する世論の高まりがあり、市としても具体的な議論を始めています。現在の制度設計の課題や、全国・世界を見たうえで先進事例に触れることができたのは有意義でした。他にも、市役所組織の責任者として日夜マネジメントにあたっている立場からは、先輩経営者の様々な覚悟に触れられたのも貴重な経験でした。また、他の受講生とのご縁も非常にありがたい機会でした。市として、今後の具体的な連携の可能性についてディスカッションできたことも大きな財産です。

―永山さんには、プログラムの受講に加え、政策提言チームへのフィードバックをはじめ大変熱心かつ精力的にご参加いただきました。どのような想いでプログラムに参加されていたのでしょうか。

もちろん私自身の学びと言う観点もありますが、それと同じくらい、将来の連携企業を発掘するという営業的な意思をもって参加しました。その意味では、政策提言チームからの提言は日置市として具体的な政策立案の材料をいただけると同時に、今後の連携先企業とのコラボレーションの可能性を提示いただく時間でもあり、非常に有用な時間になったと感じています。実際に、来年度当初予算では、GIAでご提案いただいた事業の一部を予算化する予定です。

Green Innovator Forumの最終発表で講評をする永山さん

―永山さんはご自身が受講生であったと同時に、日置市職員のBさんをプログラムに派遣された立場でもありました。Bさんにどのような成長を期待されていましたか。

Bさんは市役所組織の中で脱炭素関連業務に携わっているということもあり、ある程度の成果が出ることは事前に予想していました。脱炭素に関する知識や、関連企業とのネットワークといった成果は予想通りに十分みられましたが、それ以上にBさんはプロジェクトマネジメントのスキルが向上したように感じます。多様なチームでプロジェクトを進める中で、多様な考えを受け止め、同時に自分の思いを伝えながらゴールを目指すというファシリテーションスキルやコーディネートスキルは、行政の中だけにいては身に付きづらいものです。苦しい場面も多かったように思いますが、頑張ってくれました。行政職員の学びとしては最上級の場だったと思います。

―そんなBさんと取り組まれる日置市の脱炭素推進での抱負を教えてください。

市町村単位で脱炭素に取り組むことは、市民の理解を得づらいものです。「日置市だけが頑張っても、地球環境はよくならないでしょう」と市民にはよく言われます。けれど、脱炭素推進は①地域内経済循環の促進(エネルギー関連支出の域外流出回避)と、➁脱炭素関連産業の育成による産業基盤強化(脱炭素は数少ない成長分野)に繋がると思っていますし、市民にはそのように伝えるようにしています。まずは地域内で脱炭素関連事業に関わる事業者を増やし、市民に多様なエネルギー調達の手法を伝えていく。そのために、地域エネルギー会社と連携し、まずは脱炭素関連人材を増やしていくことにチャレンジします。

―最後に、永山さんのご立場からGreen Innovator Academyに期待することを教えてください。

脱炭素に関わるモチベーションは人や組織によって様々です。私は日置市民47,000人の福祉向上のために、脱炭素化は必要不可欠だと思っていますが、それは日置市だけで実現できるものではありません。多くの方々のお力をお借りする必要があります。多様な立場の企業や組織や団体が、それぞれの立場から脱炭素化を進めていく、日置市もその結節点の一つとして、地域脱炭素の起点になれたら最高です。GIAには多くのステークホルダーが集います。まずはこれまでこの場で学んだ人たちがしっかりコミュニティとして繋がること。そして、今後、この学びの輪をさらに大きくしていくことを期待しています。

プログラムの一環のフィールドワークでの集合写真(日置市吹上砂丘荘にて)
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