Green Innovator Academy 第三期 キックオフレポート

2023年7月31日、早稲田大学小野記念講堂にて、「Green Innovator Academy」(GIA)第3期のキックオフが開催されました。
2021年の1期、2022年の2期に続いての開講となった3期では、社会人60名、学生80名の計140名を迎えました。
3期のプログラムの原点となるキックオフは、8月から12月にかけて5か月にわたって共に学んでいく、GIAの核が随所にちりばめられた場となりました。

イノベーターとは

まず初めに、GIAの校長である岡田武史氏（*1）を迎えました。セッションのテーマは「What is an INNOVATOR?」。サッカー日本代表監督、FC今治の立ち上げ、学校法人今治明徳学園の学園長就任と次々に挑戦を続ける岡田氏から、イノベーターとして大切なことや挑戦の源泉をお話しいただきました。
GIAのスローガンは「Be the Change」です。誰かを批判するのではなく、自ら変化を起こすイノベーターとなることを目指します。
８月から本格的に始まるプログラムでは、各界の第一線で活躍される専門家や起業家による講義と対話を通して、知識だけでなく多様なイノベーター像を学び体感し、参加者がそれぞれのイノベーターのあり方を探求します。

岡田武史 氏

大局を捉える

岡田氏に続いて登壇いただいたのは、経済産業省の廣田大輔氏(*2)。「激動の世界情勢とともに読み解く日本のエネルギー政策」というテーマのもと、ロシアのウクライナ侵略からグリーントランスフォーメーション（GX）まで、エネルギーを取り巻く大局をご講義いただきました。
さらに社会人と学生で分かれた後には、社会人コースでは、GX概論プログラム(*3)統括編集長である前田雄大氏(*4)を招きました。GX概論の講義を受講する際の心構えについて、業務に関わる部分だけを縦に理解するのではなく、複眼的に横のつながりを捉える視座を持つことの重要さが伝えられました。
一方の学生コースでも、地球温暖化を「逆転」させる100個の具体的な方法が示された「DRAWDOWNドローダウン―地球温暖化を逆転させる100の方法」の本を題材に、環境課題に関する視野を広げるワークを行いました。
プログラムで3期生は、エネルギー・生産消費・食料・都市の4つのシステムを軸に、カーボンニュートラルを取り巻く国内外における最先端の知識・知見を学び、イノベーターに必要な分野横断的な知識と大局的な視座を学んでいきます。

廣田大輔 氏（左）、前田雄大 氏（右）

分野横断世代縦断で共創する

GIAでは基本的に社会人と学生で別々にプログラムが進みますが、キックオフでは両者合同で自己紹介を行う時間を設けました。参加者の3期生は興味分野やGIA参加のきっかけ、プログラムへの意気込みをテーマに語り合いました。
学生参加者の一人は、「色んな人に会えることや様々な機会があることを知り参加しました。私自身フードテック・アグリテックに興味があるのですが、フードに興味がある方ともない方とも交流し、ネットワークを広げたいと思います」と語りました。さらに社会人参加者の一人は、「私自身自然を中心とした社会観に関心があり、関心分野を自分のなかでもう少し明確にすること、自分の関心に共感してくれる仲間を増やすことが目標です」と語りました。

GIAでは分野横断世代縦断で共創するエコシステムを創り上げることを一つの目的として掲げています。キックオフのOpening Remarksでは、Green innnovation共同代表の坂野晶はこのように語っています。
「環境の専門家や特定の分野の専門家が集まるだけでは不十分です。具体的に社会の仕組みを変えるためには、一企業、一団体、一セクターのなかだけではなく、様々な人をつないで、分野横断世代縦断で一緒に考えていくことが必要です。
そして、共に考えるためには、同じ知見やスキル、同じように対話する力が必須です。私たち事務局の役割は皆さまをつなぐことだと考えています。本プログラムを、対話する機会や対話のためのスキル、実際にTrial and Errorをする経験を得る場として活用いただきたいと思います。」

１期、２期、３期を合わせると、GIAのコミュニティは４００名を超えます。多様な背景と熱い想いを持った仲間がイノベーターとしてつながり互いに創発する場を目指します。

自己紹介時間の様子

Be the Change

キックオフを終え8月から5か月に及ぶプログラムが本格的に始まります。Opening Remarksにて、坂野と同じく共同代表の菅原聡はこのように語りました。
「”I can lead you to the doors of adventure, but it is up to you to open them and face destiny.”という言葉を知っていますか。この言葉の通り、Green Innovator Academyも皆さんがイノベーターとして活躍するための知識やスキル、仲間を全力でサポートしようと考えています。
ただ、このGreen Innovator Academyの主役は皆さんです。
皆さんがこの機会を能動的につかんで、12月17日の最終フォーラムまでの時間を有意義なものにしていただければと思います。」

Opening Remarks 坂野晶(左)および菅原聡(右)

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*1 岡田武史 氏：株式会社今治. 夢スポーツ代表取締役会長
*2 廣田大輔 氏：経済産業省 資源エネルギー庁 長官官房 総務課 需給政策室長 兼 調査広報室長
*3 GX概論プログラム：今後大きく変革する4つの社会経済システムのシフトチェンジを軸として、カーボンニュートラルを取り巻く国内外における最先端の知識を身に付けるコンテンツ。
*4 前田雄大 氏：株式会社みなかみSOUL代表取締役/脱炭素・エネルギーアナリスト