
脱炭素社会の実現を牽引する次世代のイノベーター育成プログラム「Green Innovator Academy」の第5期は2025年9月に開講、学生プログラムはアセアン地域最大のユース組織である「Asean Youth Organisation」と香港で若者の環境教育に取り組んできた「Wofoo Leaders’ Network」と連携し、アジア各地域(日本、香港、タイ、フィリピン)が抱える環境テーマを設定、多様な文化背景を持つ同世代との対話やアジア各国が抱える環境課題の解決の探求を通じて、分野・世代・国境を越えたGX推進力を養います。
本記事では、気候市民会議をテーマとした、長野県松本市でのフィールドワークの様子を紹介します。
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初日は松本市立博物館に集合し、松本市環境・地域エネルギー課の方々から同市における脱炭素政策や、松本市気候市民会議についてご説明いただきました。その後は博物館内を見学し、松本市の歴史的背景や暮らしについての学びを深めました。

(松本市立博物館での松本市職員の方からの説明の様子)
次に、信州のまちづくりに創業以来60年間寄り添ってきた株式会社アスピア(https://asupia.co.jp)の新オフィスであるASUPUA NEXTへ訪問し、ZEBや脱炭素に貢献したオフィスの仕組み、内装へのこだわりなどについて紹介いただきました。施設内も見学させていただき、受講生からのたくさんの質問にも真摯にお答えいただきました。

(ASUPIA NEXTでの説明の様子)
そのあとは、エア・ウォーター株式会社(https://www.awi.co.jp/ja/index.html)の新施設である、地球の恵みファームに訪問させていただき、職員の方々に脱炭素への取り組みについて解説いただきました。地産地消の再生可能エネルギーをテーマとした画期的な施設の数々を見学し、技術が実用化されている様子を体感することができました。

(エア・ウォーター前での集合写真)
松本市役所へ移動し、臥雲市長と松本市民3名の方々と受講生の意見交換会を行いました。アジア7ヵ国から集まる学生の多様なバックグラウンドを活かし、彼らの視点から見た松本市の取り組みへの疑問点などを、臥雲市長や市民の方々へ直接質問させていただきました。松本市民ならではの実体験に基づくお話や、臥雲市長の脱炭素への思いを直接伺うこともでき、有意義な会となりました。


(1枚目:意見交換会の様子 2枚目:集合写真)
2日目は松本市内の散策からスタートしました。市内各所の環境に配慮した取り組みや、特色ある場所について、信州大学の学生に解説していただきながら街歩きをしました。


(1枚目:松本市街歩きでの井戸の説明の様子 2枚目:松本城前の集合写真)
続いて浅間文化センターへ移動し、松本市民である4名にご協力いただき、4グループに分かれグループディスカッションを行いました。自分が普段CO2を排出する場面を振り返り、松本市のアクションプランと関連させどういった取り組みで排出量を低減させられるかという議題で各グループ模造紙にまとめ、発表してもらいました。日本語と英語を交えつつ、各チーム活発に議論を行い、今後のプログラムに繋がる視点で取り組むことができました。

(グループディスカッション後の発表の様子)
一連のフィールドワークを通じて参加者からは
「市民、企業、政府のもつそれぞれ異なる動機や制約を配慮し、市民全体に行き届くような包括的な解決策を考えなければいけないと感じた。」
「松本市をはじめ企業や市民が日常からサステナビリティに取り組もうとしていることを日本の文化と共に学ぶことができた。」
「市民の懸念点、今後への期待や、地域での実際の環境への取り組みなどを直接聞くことができ、とても深い洞察が得られた。」
という声が集まりました。参加者は11月末に開催する最終発表に向けて、政策提言の検討を進めていきます。
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