Green Innovator Academy(以下GIA)は、「未来を自らより良く変えていこうとするイノベーターの育成」を目的に、2021年に開講しました。これまでに企業の経営幹部候補や若手リーダー、ベンチャー企業のCEO、省庁・自治体職員、学生など、2025年3月時点で400名を超える卒業生を輩出、社会の幅広い分野で活躍されています。
今回は第2期(2022年度)に参加された、カントミント株式会社の中本大和氏と伊藤諒氏にお話をうかがいました。
PROFILE
中本 大和(Nakamoto Yamato)氏
カントミント株式会社 代表取締役(CEO)
金融機関を経て札幌市役所に転職。女性起業家支援、札幌ベンチャーグランプリの企画・運営などを担当後、スタートアップ育成・発掘プロジェクトSTARTUP CITY SAPPOROの立ち上げを担当。スタートアップ企業と道内自治体を繋ぐ実証事業Local Innovation challenge HOKKAIDOの企画・実施を通して多くのスタートアップ企業と自治体の繋ぎ役を経験。2021年からは海外連携部門を担当し、TechBBQ SapporoやHokkaido Innovation Weekの統括も担当。
伊藤 諒(Ito Ryo)氏
カントミント株式会社 取締役(COO)
製薬会社MR、大手広告代理店、外資広告代理店マネージャー、モビリティ系スタートアップボードメンバーを経験後、2022年10月に地元札幌にUターンし、札幌市外部人材スタートアップ推進係長に就任。札幌だけではなく、オール北海道でのスタートアップ施策推進の必要性を強く感じ、中本と共にSTARTUP HOKKAIDO実行委員会を立ち上げる。その他、市役所最上階に、スタートアップ交流スペース「社交場ヤング」企画開設。新組織立ち上げ、事業戦略、プロマネ、営業領域を得意とする。
伊藤:
2025年4月、札幌市役所に勤めていた3人で「官と民をつなげる組織」としてカントミント株式会社を立ち上げました。私たちは、行政と民間の間に立ち、双方を理解し合える“翻訳者”のような存在を目指しています。行政の仕組みは民間には見えにくく、民間の事情も行政にはなかなか伝わりません。私たち3人はいずれも民間出身でありながら、行政で官民連携をリードしてきた経験があります。だからこそ、官民の間の流動性を高め、関係性を滑らかにすることが必要だと実感しており、自らその実践者として起業するに至りました。
中本:
民間と行政の両方を経験して強く感じたのは、「行政の中の情報があまりにも外に出ていない」という現実です。もっとオープンでクリーンな連携があれば、社会課題の解決にもつながるはず。だからこそ、公務員自身がもっと外に出ていくべきだと考えていました。その一歩として、私たちが行政を離れ、内側の実情を外に伝え、外の声を中にも届ける。その橋渡し役を担うことが、より良い社会づくりに貢献すると信じています。起業のきっかけの一つになったのが、まさにGIAでの経験でした。
伊藤:
GIAに参加した当時は、まさに新規プロジェクトの立ち上げの真っ只中。非常に多忙な時期でしたが、あえてGIAに飛び込みました。初日のキックオフプログラムでの岡田武史さん(GIA校長|株式会社今治.夢スポーツ代表取締役会長)のお話に強く心を動かされ、鮮烈な印象を受けました。半年間のプログラムでは、普段出会うことのないような著名人やイノベーターと“対話”する機会があり、自分の視野が大きく広がりました。日常業務で全力を尽くしているタイミングだったからこそ、学びの密度も高かったと感じています。
中本:
とにかく「やりきった」という感覚が強く残っています。限界突破というか、自分の可能性をストレッチできた感覚ですね。「自分は逃げていないか? もっとチャレンジできるのでは?」という問いかけが、起業への一歩につながったのかもしれません。GIA卒業後、すぐに起業を考えたわけではありませんが、新規プロジェクトをやり遂げた後に、「これが限界じゃない、まだまだできる」と気付いてしまったんですよね。GIAでの経験が、自分の限界値を押し広げてくれたと思います。
伊藤:
参加者同士のネットワークは大きな財産ですね。GIAには、各界の第一線で活躍されている方が集まっていて、そのような仲間とのつながりは何にも代えがたいものがあります。
中本:
卒業後も交流は続いていますし、いまもお互いにサポートし合う関係です。教えてもらうこともあれば、自分たちが力になれることもある。そうした関係性をこれからも大切にしていきたいですね。
伊藤:
間違いなくそうです。GIAでは、さまざまな分野や世界で活躍していて、志を同じくする挑戦者たちとリアルに対話できる機会があり、世の中をより良くしたいというエネルギーを共有することができました。プログラムはハードでしたが、得られたものは非常に大きかったです。
中本:
学生にとっても価値ある経験になると思います。GIAへの参加は、人生の転機になり得る。意欲ある人には、ぜひ飛び込んでみてほしいですね。
中本:
私たちにしかできない役割を果たしていきたい。それは、官民連携を通じて、人々が幸せになれる社会をつくること。私たちは官民連携で社会を変える潤滑油のような存在を目指しています。官と民の境界を越え、社会にインパクトを与える取り組みを推進していきます。
伊藤:
その通りですね。そして、社会全体だけでなく、地域やコミュニティといった身近なところも大切にしていきたい。GIAで得た経験を自信に変えて、しっかりと前に進んでいきたいと思います。
中本:
将来的には、カントミントとしてGIAのスポンサーになって、社員を送り出せるような企業に成長したいと思っています。ぜひ、楽しみにしていてください!
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