
Green Innovator Academy(以下GIA)は、未来を自らより良く変えようとするイノベーターを育成するという目的のもと、2021年に開講しました。5年目の2025年度は、5期生として社会人は企業の若手リーダー、省庁自治体職員などが約50名参加しました。(また並行して大学生を対象としてもプログラムが実施されています)今回は、GIA社会人5期生で、三菱電機株式会社 サステナビリティ事業推進部 所属の福田 恵子さんに参加後のインタビューを行いました。
PROFILE
福田 恵子(ふくだ けいこ)氏
所属:三菱電機株式会社 サステナビリティ事業推進部
2010年入社。入社後は、自社情報システムの企画・開発・運用・保守に携わる。2024年より、サステナビリティに関する新規事業企画・開発に従事し、ネイチャーポジティブに寄与できる新規事業開発を担当。
三菱電機はサステナビリティの実現を経営の根幹に据え、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。所属する部署では、その中でも新規事業での社会課題解決を担当しており、海水から二酸化炭素を直接回収するDOC(Direct Ocean Capture)やプラスチックリサイクルの事業化の検討を現在進めています。私はこれらに続く新たな領域での新規事業開発を担当しております。しかしながら、当社として取り組むべき社会課題、事業は簡単には見つからず、日々悩みながら探索していました。そんな中GXと新規事業開発の両方を学べる同アカデミーの案内が上司からあり、広く知識を得て事業アイデアを形にする実践を積みたいと思い参加を希望しました。
特に印象に残っているのは、前田雄大氏(大局を捉える)、坂野晶氏(サーキュラーエコノミー)、小山師真氏(ルールメイキング)の講義です。 自部門でもサーキュラーエコノミーに取り組むチームがあり、マネタイズに苦戦している現状がありました。そのため、価値を変えていくための「ルール形成」の重要性や、仲間づくりの手法を学べたことは非常に有益でした。今ない市場を作ろうとする際、単なる技術開発だけでなく、ルールメイキングまで含めた戦略が必要であることを深く理解でき、世界の潮流を俯瞰的に把握する良い機会となりました。
技術寄りの企業であるため、どうしてもシーズ(技術)起点の検討になりがちでしたが、今回のワークを通じて「いかに実在する顧客のニーズに沿ったビジネスに仕上げるか」という視点の重要性を痛感しました。 「総論で良いと言われても、実際に購入する顧客がいなければ意味がない」という現実に直面し、ヒアリングを重ねる中で考え方を大きく転換できたことが成長です。また、一人で決断してピボットしていくプロセスは苦しいものでしたが、他業種のメンバーからフィードバックをもらうことで視野が広がり、最後までやり切る力がついたと感じています。

一つ目は、開講式のJT・岩井睦雄氏のリーダーシップに関する講義です。講義の中で「社会的責任」と「やりたいこと」の重なる部分が「志」で、そこに「できること」が重なると「天命」になると学びました。たまたま自社の新規事業検討の中で「社会課題(社会的責任)」「やりたいこと」「できること」の3つの観点でアイデア整理をしており、自分たちが探していたものが「志」や「天命」に該当すると気づき、「天命」になるような事業を生み出したいと改めて思いました。
もう一つは新規事業合宿です。受講生同士が一人一人の事業アイデアを真剣に議論し合い、励まし合って取り組めたことで仲が深まったと感じました。
コーチングを経て、以前は得意な「情報収集」に留まりがちだった視点が、集めた情報をどう「決断」に繋げるかという実行のフェーズへと大きく変化しました。 特に、単なる知識ではなく「知識を事業に組み立てる力」や、自身の「大切にしたい価値観を言語化して人に伝える力」が養われたことは大きな成長だと実感しています。 現在は、アイデアを形にするだけでなく、実際に推進していく「実行力」の強化を重視しており、自らの言葉で周囲を巻き込み、新規事業を実現できるリーダーを目指しています。
新規事業立案コースの同期は弊社と近い事業領域の企業から参加された方も多く、皆さんと新規事業の議論ができたことは大きな経験になりました。私は2024年4月から新規事業開発に携わっており、その中には途中で検討を中断したアイデアも複数あります。同期の事業アイデアには中断したアイデアに類似したものが複数あり、それらを私が気づかなかった視点やアイデアで形にしていく姿にたくさんの刺激を受けました。世の中には自分が注目している社会課題や事業アイデアに目を付ける人はたくさんいて、同じ思いの仲間との対話が解決の道へ進むために重要であることを学びました。

自社でも新たなテーマでの新規事業立案を予定しています。今回学んだ「小さくても確実な顧客を見つけること」の重要性や、具体的なヒアリング手法、提案の構成などを、そのプロジェクトに直接活かしていきたいと考えています。 弊社はどうしてもシーズ起点で物事を考えがちですが、今回身につけた顧客視点やニーズベースのアプローチといった「社内にはあまりない視点」を積極的に持ち込み、周囲を巻き込みながら事業化に向けて推進していきたいです。
新規事業開発を推進する中で私自身の思いを発信し、同じ地球を良くしたい思いを持つ仲間を多く作っていきたいと考えます。サステナビリティは1社だけでは実現できない問題です。所属部門では「ネイチャーポジティブのフロントランナーになる」ことをVisionとしており、これは自分/自社だけでなく他者/他社も巻き込み大きなムーブメントを作りたい思いを表しています。多くの人の力を合わせ、使えば使うほど脱炭素や資源循環に貢献できるサービスや製品を生み出すことを目指し、邁進していきたいです。今を生きる子どもたちがこの時代に生まれて良かったと思える未来が実現できると嬉しいと思います。
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