
Green Innovator Academy(以下GIA)は、「未来を自らより良く変えていこうとするイノベーターの育成」を目的に、2021年に開講しました。これまでに、企業の経営幹部候補や若手リーダー、ベンチャー企業のCEO、省庁・自治体職員、学生など、2025年12月時点で500名を超える卒業生を輩出し、社会の幅広い分野で活躍されています。
今回は第1期(2021年度)の学生プログラムに参加された浅見幸佑氏にお話を伺いました。
PROFILE
浅見幸佑(Kosuke Asami)氏
NPO法人very50
一般社団法人ビーラインドプロジェクト 代表理事
現在は、大きく2つの活動に取り組んでいます。
1つ目は、教育分野に関わるNPOでの活動です。「自立した優しい挑戦者を増やして、世界をもっと面白く」をモットーに、国内外の社会起業家と連携したプログラムを通じて、学生に「志に触れること」「誰かのために努力すること」を体験してもらう機会を提供しています。私は主にプロジェクトの運営や開拓を担当し、日本国内や東南アジアをはじめとするアジアの新興国を飛び回っています。
2つ目は、視覚障害のある方を対象とした事業です。GIA卒業後に「一般社団法人ビーラインドプロジェクト」を立ち上げ、ボードゲームの開発やイベント運営などを行ってきました。最近では、視覚障害のある大学生とない大学生が協力して運営する「MOONLOOP CAFE」の取り組みにも力を入れています。
一言で言えば、今の教育や社会構造への違和感です。私にとっての「幸せ」とは、「人生が躍動しているかどうか」だと思っています。最終的には「今、心から楽しいと思えているか」という問いに行き着きます。一方で、現代社会では就職活動に追われ、週末だけを楽しみに働いている人も少なくありません。そうした状況は、人が本来持っている躍動感を奪っているように感じていました。だからこそ、教育の段階から「人生を楽しみながら生きている大人」と出会える環境をつくることが大切だと考え、今の活動に取り組んでいます。
きっかけは、知人からの紹介でした。参加を決めた一番の理由は、「新しい出会い」を求めていたからだと思います。当時は、自分が何者でもないという感覚を強く持っていました。だからこそ、刺激的な人たちと出会いたいという思いがありました。また、もともと環境問題にも関心があったこともあり、GIAへの参加を決めました。
最も印象に残っているのは、福島でのフィールドワークです。1期の講義はすべてオンラインだったため、初めて同期たちと直接会えたのがこの機会でした。バックグラウンドの異なる仲間が集まり、互いに刺激し合えたことは、とても貴重な経験でした。今でも定期的に近況を報告し合う仲間がいますし、SNSを通じて1期生の活躍を知るたびに、大きな刺激を受けています。それぞれが自分の道を究めている集団だからこそ、当時の姿と現在の姿を重ねながら、自分自身を奮い立たせています。
フォーラムの最後に、未来への決意を語る機会がありました。そこで「視覚障害のある方のための企画を進めている」と宣言したことは、自分にとって大きな転機でした。あの場で公言したからこそ、途中で投げ出さずに続けてこられたと思います。今につながる原点です。

― 視覚障害の分野に取り組もうと思った理由は何だったのでしょうか。
大学の講義で障害福祉を学んだことがきっかけです。視覚にハンデのある方が商店街を歩くことさえ難しいという話を聞き、強い問題意識を持ちました。また、GIA在籍時には、リアル脱出ゲームの企画ディレクターの方に師事していました。その経験から、「企画の力で社会課題を解決できるのではないか」と考え、このプロジェクトを立ち上げました。
正直に言うと、かなり泥臭かったです。特に最初の1年間は、イベントの企画と運営に明け暮れました。参加者から前向きな反応が多かったことから、活動を継続するために法人化しました。これまでに延べ3,000人がイベントに参加し、ボードゲームも200〜300個ほど制作しましたが、うまくいかないことも多くありました。振り返ると、苦しい時期の方が長かったかもしれません。ただ、その分、社会にインパクトを与えるために必要な視点や経験を多く学ぶことができたと感じています。
「社会にインパクトを与えられるような偉大な人」になりたいです。そのための手段として、「人生が躍動するような感動を広げる」ことを大切にしており、そのポリシーにしたがって現在は教育・視覚障害という分野で活動しています。今後はどの領域で勝負するかまだ決めていませんが、これからも、自分の手ざわり感を大切にしながら、人の心を動かす、感動を広げるような取り組みを続けていきたいです。
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